2本の柱

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(映画の感想)アニアーラANIARA 鬱鬱鬱鬱鬱鬱

こんにちは、2本のアニラです。

アニアーラANIARAを見ました~。スウェーデン産の大作SFです。鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱

UNEXTの日本版サムネはもうちょい青色でコスモな感じでしたが、なんか本家ポスターは仰々しいな。。

The Movie Database|アニアラ (2019) — The Movie Database (TMDB) (themoviedb.org)より引用

(あらすじ)

環境汚染により滞在不可となった地球。人類は宇宙船へ乗り込み火星を目指そうとしていた。宇宙船アニアーラは2週間かけて火星へ向かう、8000人規模の大きな船であり、食料、酸素、水分はもちろん、レストランや娯楽まで完備している。

アニアーラに乗った主人公MRは、人々の記憶へアクセスし映像を映し出すMIMAというシステムの技術員であった。MRがいつものように人々に美しかった頃の地球の記憶を提供していると、突然船が大きく揺れる。。。アニアーラは宇宙ゴミにぶつかり燃料を喪失、火星への軌道からも大きくはずれるのだった。止まることすらできないアニアーラは存在するかすらわからない軌道修正用の惑星を探しながら宇宙を進み続ける。。

 

感想↓

大鬱。ずっと暗い。当初2週間の旅の予定が終わりのない死への旅へと変わる。絶望。作中でアニアーラを石棺と例えていることでもう察し…ですよね

 

制御不能後も最初はなんとか耐えていました。MIMAのおかげです。みんなの中の美しい記憶を映してくれるので、現実逃避をすることができました。ただ、それも最初の数年のみ。MIMAは限界を迎えてしまい、再起不能になってしまいます。ここからグロい。

 

現実逃避の手段を失った人々はどんどん鬱蒼としていきます。生活は荒れ、精神を病み、MIMAを神格化したカルトまではびこります。さらに希望などないのに行われる次世代の教育。ちょっとした出来事を’’救い’’だと大袈裟に語る船長。どれもが「ありもしない希望にすがることしかできなくなった死にゆく人間たちの営み」で見てられない。みんなこのアニアーラで死ぬことを薄々理解しているのに、それを認めたくないような。行動と認知が逆行している、矛盾しているような。。はあ。。。哀れ。

 

ただ厄介なのが、アニアーラは救いの可能性がほぼゼロだけど完全にゼロではないところ。例えば軌道修正ができる惑星が見つかるとか、たまたま燃料を積んだ宇宙ゴミが近くに漂流するとか。この一縷の望みが事をややこしくしています。こんなことありえない。でもあると信じたい。生きていれば救われるかもしれない。。。開き直れないのです。理解できる感情ですが、客観的に見ると哀れでしかない。。。

 

そんな中主人公MRは人々に希望を与えようと人一倍頑張っていました。このような人物が世界を救うのでしょうか。それともこのような人物が救われるのでしょうか。まあラストを見れば答えは明白でしたね。。ラストは正直、同じバッドエンドSFのライフ(ジェイクギレンホール)よりきつかった。

皮肉ですよね。

 

 

話が変わりますが、この感想を考える上で気づいたことがあります。それは、アニアーラの状況は我々にも落とし込めるのではないか?という点です。私たちも地球に閉じ込められ、死ぬことが決まっています。アニアーラが地球に置き換わっただけですよね?地球の方が何億倍広いのはさておき、アニアーラでは絶望していた人間が、地球では生き生きとしています。一体何が違うのでしょうか。。

自分の人生の意味がいきなり閉ざされたからでしょうか?死後残るものが何もないから?

何があんなに嫌だったんでしょう。考えれば考えるほどわからなくなります。。

 

臨床的な思考をしましょう。彼らがどう思っていたか想像するのです。多分アニアーラで死にゆく人々が思っていたのは「こんなところで死ぬのか…」ですよね?

 

なんとなくわかった気がします。死に場所を決められたからだ。運命を決められたからあんなに嫌だったんですね。地球であれば、ある程度自分の生きたいように生きることができますが、アニアーラではそれは叶いません。それどころか今から死ぬまでのルートが1つです。死ぬまでの運命、未来が確定しているから嫌だったのかな。変えられない大きな力につぶされているような、支配されているような感覚だったのかな。なんかマギっぽい。

 

あと別の視点で、地球には現実逃避の手法がありふれているからってのも考えつきましたね。死ぬことは決まっているけど、死が頭にちらつかない今の生活があったり、誰かの心に自分を刻みたいだとか、死後も残る何かを残したいとか、そんな自分で勝手に作った’’生きる意味、未来への希望’’にすがっていたりするだけなのかもね。所詮人類は無駄に頭が回るだけのちっぽけな生き物です。哀れだね。

(終わり)

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