2本の柱

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真面目批評:13日の金曜日/ジェイソンの命日

こんにちは。2本の柱です。

昨夜は私の中では13日の金曜日シリーズラストとなる、ジェイソンの命日を視聴いたしましたよ〜。

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あえて点数をつけさせて頂くとすれば、映画としては60/100、13日の金曜日シリーズ映画としては20/100ですね。。13日の金曜日シリーズが好きだからこその評価です。

まず言っておきたいのは、前作N.Y.へ行くに比べると安心して見れる映画ではあったということです。前回は構成がお粗末すぎたのですが、今回は、龍が如く的に言わせてもらうと、筋が通っていた。違和感なく見ることができました。

 

さて、ここからちょっと厳しくいかせてもらいますよ。まずあらすじです。今回の「デモンストレーション死」役の女性は妙に良い体してるな、、と思ってたら、まさかの見事な身のこなしで逃げて逃げて、なんと、隠れていた武装集団が現れてジェイソンを文字通り爆殺してしまいます。

これはたまげました。流石におもしろかった。これが裏切りの展開かと。ただそれは俺の中にはジェイソンに対する信頼があったからです。信頼というのは、「爆殺されても、ジェイソンは結局復活してまたみんなを殺しに戻ってきてくれる」、これです。だってジェイソンだもん。グチャグチャに爆殺されたとしても絶対戻ってくるもん。

このあとジェイソンは遺体として病院に運ばれるのですが、遺体の心臓が再び動き始めます。

これは来たよね、ジェイソンの体が再び再構成してみんなお馴染みジェイソンボーヒーズ君として復活するんだよね、私はそう思いました。

ですが、私は再び裏切られるのでした。なんと解剖医のおじさんが鼓動の音で頭がおかしくなってジェイソンの心臓を食べだしたじゃありませんか。ん??と思ってたら、ジェイソンの体から光(?)のようなものが溢れ出して解剖医のおじさんに降り注ぎ、なんと解剖医のおじさんが見た目はそのままに中身だけジェイソンになってしまいました(鏡にはジェイソンとして映っている)。

ジェイソン風おじさんは周りの人を殺しながらクリスタルレイクに帰ります。そして中身のジェイソン魂はクリスタルレイクの他の人に体を乗り換えながら、完全復活を目論むのでした。。。

 

あらすじはこれくらいにして、、

さて、最初に述べたように、ジェイソンの命日は映画としてはそこそこです。設定としては、死んだはずの殺人鬼、実は精神体としては死んでおらず、人を乗り移りながら完全復活を目論む、というものです。この完全復活というのもちゃんと設定があって、ジェイソンボーヒーズはボーヒーズ一族の体を乗っ取ることで完全復活できるが、逆にボーヒーズ一族に特別なナイフで殺されると地獄へと落ちてしまう。そしてボーヒーズ家の生き残りは主人公とその娘のみ。

ジェイソンと主人公の攻防となるわけです。設定だけだと、まあ面白くなくはなさそうですよね。

だから映画としては60点なんです。

 

ただ、何が最悪かっていうと、これが13日の金曜日シリーズであるという点です。今までの13日の金曜日シリーズはとても単純な作品で、死んだはずのジェイソンが復活→圧倒的強さのホッケーマスクジェイソンが浮かれた若者を殺しに殺す→最後はまた仮死状態へ、大きく分けてこの3つの要素しかありませんでした。ここが良いところだったんです。変な設定を覚えずにただジェイソンの活躍を見れば良いだけで、気軽だったんです。

しかし今回の映画は今までのジェイソンシリーズに比べてかなりごちゃごちゃしていました。以下ポイントにまとめて見ました。

 

ポイント①

ジェイソンが魂となって人に乗り移る点。ジェイソンの設定史上1番最悪でした。ジェイソンじゃないただのおじさんたちがジェイソンみたいなツラして(実際中身はジェイソンなんだけど)、人を殺してるんですよ。もう違いますよね。

ホッケーマスクすら付けてない。私はあたおかおじさんの殺し映画を見たかったんじゃないよ。何回も言いますけどほんとこれ1番ダメだった。まじで最近流行りの自認と一緒。私は私のことをジェイソンだと思ってるからジェイソンってことでいいですよね??っていう押し付け。違いますよ。あなたはただのパンピーおじさんですよ。勘違いしないでください。評価されるべきなのはあなたが自分をどう思ってるかではなくて、他人があなたをどう見てるかですよ。少なくとも私はあなたをジェイソンとして認めることはできません。

さらにジェイソンの精神体を作ってしまったことも悪手。もはやホッケーマスクのボロボロ巨漢という作り上げてきたジェイソン像が、ただの一時的な状態であったことになってしまいます。ジェイソン像の崩壊です。

さらにこの設定を盛り込んでしまったことで今までのシリーズにも、特にパート4〜6に違和感を与えてしまうことになります(ジェイソンは一旦死んでいますが、相手はトミーだったので精神体で逃げればよかったじゃんとなります)。

 

ポイント②

ジェイソンの死を理論的に定義してしまった点。

これも最悪ですね。今までのジェイソンは、死んだ??死んでない??という微妙なラインをすり抜けて生き延びて来ました。それは、ジェイソンにとっての死が定義されていなかったから成せた芸です。

それなのに今回の作品で、「ジェイソンはボーヒーズ一族に心臓を破壊されると地獄に落ちて死ぬ」という理論を付与してしまいました。

これは流石のジェイソンも逃れられないのではないか。十八番である死んだふりができなくなってしまうのではないか。あと地獄に行くってなんだって思ったみなさん、安心して下さい。なんと地面に穴が空いて手が生えてきてジェイソンを地中に引きずっていきます。冗談やんと思うでしょ??これガチなんです。ヘルレイザーかよってくらいのSF色。世界観が違いすぎてなんだこれ状態でした。

 

ポイント③

みなさんも俺の批評を読んでてずっと疑問に思っていたはず。「オリジナルの体を失ったジェイソンボーヒーズは魂となって彷徨い、ボーヒーズ一族の体を乗っ取ることで完全復活できるが、逆にボーヒーズ一族に特別なナイフで殺されると地獄へと落ちてしまう。

これです。

ジェイソンシリーズにおいてボービーズ一族という概念が初めて本編に登場。そしてなんとジェイソンの妹とされる女性も初登場。さらにさらにジェイソンの生家まで登場。さすがに今まで言ってこなかった設定を詰め込みすぎです。まあ百歩譲ってこれは許しましょう。

次にボーヒーズ一族の体を乗っ取ると完全復活、殺されると完全死という設定。主人公(ジェイソンの姪)がジェイソンに狙われる理由を作る上で必要だったのかもしれませんが、今までのシリーズの世界観に合致しなさすぎる。そうです、映画のストーリーの設定としては別に悪くないのですが、シリーズ第9作目でこれを作ってしまったことに問題があると思うのです。この設定のせいで今までのジェイソンとはまるで別物に変えられてしまった感が否めません。シリーズものにおいて主役級のキャラに今後ずっと影響を与えてしまうような設定を盛り込むのは悪手だったと思います。今までとなんか違うと、キャラ人気が落ちかねず、シリーズ映画としての存続も危ぶまれてしまいます。まあ万歩譲ってこれは許します。

今回の映画で1番トンチンカンだったのは特別なナイフでした。なんだこれは。ダークファンタジーじゃねんだから。そしてこのナイフの説明なんと一切無し。由来、効果、何故ジェイソンに効くのか、どこから持ってきたのか、全て謎。協力者のおじさんが何故か持ってて急に渡してきて、落として、焦って、拾って、ジェイソン刺して終わり。理由を言うまでもなくだめ。過去一歳触れられていない道具なので最低限の説明は必要だと思うし、説明されたとしても到底納得できるものではありません。

 

この作品がジェイソンシリーズを衰退させたといっても過言ではないでしょう。証拠にこの映画から8年続編が作られませんでした。しかも次の作品ジェイソンXではこの作品で盛り込まれた設定は無かったことになっています(ジェイソンXの冒頭ではジェイソンはオリジナル体で地下に投獄されていました)。

やっぱり、ジェイソンのキャラ像を崩壊させ、さらに今後ずっと足を引っ張り続けるような設定を増やしてしまったことが悪かったのでしょう。ジェイソンがジェイソンでは無くなってしまったことでファン離れしてしまったのではないでしょうかね。

命日を見た今、前回お粗末と評価したN.Y.へ行くは映画としてはダメダメですが、ジェイソンシリーズとしては最高だったのかもしれませんね。

ただ命日はダメでしたが、ジェイソンXはかなり良かった。レガシーは残しつつ新しさもあり、かつ無理していない。

 

最後に、命日のラストでフレディvsジェイソンの伏線がありました。次はフレディvsジェイソンを見たいですが、私エルム街の悪夢をリメイク版しか見たことないのでエルム街の悪夢を少し履修してから見たいと思います。

ジェイソンシリーズラストがこのような形で残念ではありましたが、シリーズ愛は消えておりません。少し時間はかかりそうですが、ジェイソン記事を書こうかと思います。。。

 

ちなみに過去のジェイソン記事一覧です

 

jinsoltlmlt320.hatenablog.com

 

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